ミステリー:ワルキューレ プレミアム・エディション [DVD]−ユルコロ情報

ヒトラー暗殺計画をモチーフにした完成度の高い作品

　史実に忠実に作成した作品。
製作前にはトムクルーズが役をすることに、シュタウヘンブルグ大佐遺族が反対する等ありましたが、トムクルーズはいい味だしてます。
ヒトラーの別荘における彼の演技はいいです。まったくセリフには出ませんが、別荘でくつろぐドイツ指導部に対する強い反感、ゲッペルス等が大佐を見る冷たい視線、この状況に爵位を持つプロイセン軍人の大佐は強い反感を強めていきます。
装備等車両、輸送機も忠実に再現しています。ロシア戦線視察のヒトラー座乗機に対する護衛状況、また、ドイツ空軍の着陸が芸術的でさえあります。
ワルキューレの失敗で多くの優秀な者（情報部のカナリス提督等）を粛清したことは、ドイツにとって大きな損失で、ただし、このことがあって国防軍等は戦後、武装ＳＳとは異なり伝統維持することができたとのこと。

メーカー：ポニーキャニオン

サスペンス映画

　私は日本語吹き替えで見たので原語がドイツ語でも英語でもかまわない。　
一級のサスペンス映画として鑑賞すればいいんじゃないかと。
当時のドイツ人の中にヒトラーに賛同していなかった人も少なからずいた、ということが良くわかりました。

よく伝わってきます。

　できるだけこの事実を忠実に再現するよう努力した様子が垣間見え、セットもリアル感がたっぷりあり、見応えのある描写です。
当時は独裁体制の中でもっと厳格な体制のイメージだったのではと想像するのですが、この作品では少しアメリカナイズされた素振りが散見されます。
そうであっても、それらは映画として観るものに印象付けられるよう最低限の脚色を加えたものであり、当時の様子については十分よく伝わってきます。
感情や情緒的表現は少なくしてあり、ミッション遂行に徹する事の顛末を前面に出しており、リアル感がたっぷり出ています。
こういうことが実際にあったということは、日本ではなかなか知られていないことかもしれませんが、映画を通して初めて知る事となりました。
トム・クルーズのメリハリの付いた冷静な行動が信念を貫いた勇ましい姿となって映っており、この作品を暗く描写するのではなく、未来への願望をうまく表現しているものと思います。

最高のサスペンス

　「ヒットラー暗殺計画が全部で１４回あったうちの、最後の一回がこれ」なのだという解説に、驚いた。知らなかった史実だった。

主人公クラウス・フォン・シュタウフェンベルクの台詞、「世界に、ドイツ人みんながヒットラーのような人間だと思われたくないから・・」。
大きな賭けに出た彼らの気持ちを理解した。

音声特典の解説の中で、何かというと『ユージュアル・サスペクツ』が比較に出されていた。この作品もブライアン・シンガー監督だったのだ。しかし、この２作品、比較できないほどテーマが違うではないかと思ったが、本人曰く、「どちらもサスペンス」とのこと。言われてみればその通り。「シンドラー・・」などとは、やはり違う。

一日遅くなれば、それだけ多くのユダヤ人たちが死んでしまう・・・そう考えたら一日でも一時間でも早く・・・そういう意味で彼らは焦っていたのだ。「目でヒットラーの死を確認する事なく」その場を立ち去った。
これが混乱の始まり、大きなサスペンスの始まり始まり・・・・。

勿論、死んではいないってことは１００も承知ながら、ヒットラーが死んだのか、生きているのか、わからないまま動く物語は、まさに最高の「サスペンス」だった。

いつものトム

　　相変わらずのトム・クルーズである。彼の演技力がどのように評価されているのかは知らないが、私には、どの作品でも同じような演技を繰り返しているようにしか見えない。しかし、これが偉大なるマンネリというべきか、見る者の期待に応えていることは確かだ。
　この作品は史実に基づいたサスペンス・アクションという触れ込みだが、ヒトラーの暗殺計画そのものは詳しく描かれず、有事の際にベルリンを掌握する「ワルキューレ作戦」についても大雑把にしか語られない。結局、２時間を通して描かれているのは、トム・クルーズの葛藤とまでも言えないハラハラ・ドキドキの表情なのだ。レジスタンスが計画したヒトラー暗殺が失敗に終わり、祖国ドイツを取り戻すことが失敗に終わることは誰でも知っているにもかかわらず、それなりに惹きつけられてドキドキしてしまった。大きく史実を外れたとしても、エンターテイメントとして派手に打ち上げることもできたのだろうが、意外にあっさり終わってしまったのは「史実」を重んじたせいだろうか。
　ともかく、カッコよくないトム・クルーズはあり得ないのだ。

軍事作戦に想定外のことはつきもの。

　戦争に作戦は付き物ですが、思い通りに行くことは少ないようです。情報は断片的だし、そもそも間違っていることも往々にしてあります。ちょっとしたことで、想定外のことは起こりがちだし、運命のいたずら的な出来事で結果がまったくの正反対になったりします。当初の目論見通りに行った軍事作戦なんてないのかもしれません。
この暗殺計画の明暗を分けたのは、ヒトラーの死が確認できなかった3時間を空費したことですね。軍人の躊躇は致命的です。ヒトラーの生死がどうであれ、情報を遮断した状態で3時間でベルリンを制圧するのが、ワルキューレ作戦でした。劇中でも言っていましたが、まさに「政治家の決断と軍人の決断の違い」ですね。この3時間で歴史は変わったかもしれません。軍人はいつも情報4割で決断しなければなりません。まさにやるかやられるかですので、躊躇が致命的な結果を招きます。
そんな軍事作戦の緊迫感を感じさせてくれる映画です。
さすが、ブライアン･シンガー、「Ｘメン」シリーズでアメコミヒーローに独特の実在感を与えたかと思えば、戦争映画も一味違いますね。そう言えば、最初にブレイクしたのは「ユージュアル･サスペクツ」でした。そう考えると、読みきれない監督です。次は何をやってくれるのか楽しみです。
P.S.何気なドイツ語へのこだわりも好きです。「ワルキューレ」は「ヴァルキリー」なんですね。

歴史が変わらなかったことが残念でなりません。

　殆どの視聴者はこのミッションの結末を知っているわけで、その代わりに臨場感の演出に腐心した様子が覗えます。

ただ残念なのは、このミッションが成功していたら歴史は変わっていたかも知れないと感じることです。
もし成功していたならばユダヤ人の虐殺も終わったでしょうし、ドイツ軍、連合軍、そして一般市民の何万いや何十万人（もしかしたら百万人単位？）という人命が救われたかもしれないと思うと残念でなりません。

余談ですが、Wikipediaで主たる登場人物を調べてみました。俳優は本人ととても風貌がとても似ていたのが興味深かったです。人選には風貌も重視されたように感じました。
またドラマチックにするための演出と思い込んでいた場面も実は事実に沿った演出だったというのも興味深かったです。

歴史的史実にできるだけ忠実に表現しようという強い意図を感じる作品

　映画は2008年12月25日リリース。日本では2009年3月20日リリース。1944年に起きたドイツ国防軍将校によるヒトラー暗殺計画 ワルキューレ作戦と、その指揮を執った実在の将校シュタウフェンベルク大佐を題材にしている。ちなみにヒトラー暗殺計画は、ヒトラーの政権奪取後、単独犯及び組織的なものを含めて少なくとも43回あったらしい。そのなかでも『ワルキューレ』は最も有名だろう。

シンガー監督のこだわりが随所に出た装置の中、歴史的史実にできるだけ忠実に表現しようという強い意図を感じる作品だ。つまり、作品として映画を盛り上げようというよりも、史実を可能な限りそのままに映像化することに注力している。『チエ・ゲバラ』を描いた2つの映画を観たときも同じ気持ちになったが、史実をそのまま映像として観る、というのは決して楽しい、というものではない。ただそこにどうしようもなく堅固なリアリティを感じる。

随所にVFXも使われていて、ヒトラーの住居兼大本営であったベルクホーフ・ハウスやトム・クルーズ演じる主人公の指の失われた左手の再現などは実に見事だ。なお現在、ベルリンの国防省跡に、ベック、シュタウフェンベルク、ヘフテン、オルブリヒト、クイルンハイムら五人の名を刻んだ記念碑が建っていて、彼らが処刑された中庭の跡には、象徴としてブロンズ像が置かれている。

何故英語なのか？

　ドイツが舞台なのに英語なのは理由があります。
それは大抵の場合自国語で映画を見るからです。吹き替え版を好む国が少ないのです。
そして日本は字幕派が多いと。需要とニーズのミスマッチですね。

ぱっと概観するのには良い映画！

　シュタウフェンベルグのヒトラー暗殺計画は、失敗に終わった。

視覚的に表現するのには、やはりハリウッド映画でないと、出来なかったか…という感想である。戦争世代の第三帝国の蘊蓄をご存じの方々にとっては、ちょっとたよりない、キャストであっただろう。

しかし、ドイツ映画として世界に向かって発信していない以上、それを製作した、トム・クルーズには賞賛を与えた方が良いであろう。何故なら、描かれる多くの部分は、証拠の積み上げであるのであるから…。

私が思うに、ここで視覚化された映画は、「真夏の夜の夢」として楽しめるくらいが、万人受けするのではないか？と感慨を感じるのだが…。

戦争映画ファンには、楽しめる

　内容・セット・備品等にお金が掛かっており、結構、忠実に再現されていて戦争映画ファンには楽しめる映画でした。

英語でも独語でも

　幾度と企てられたヒトラー暗殺計画のうち、最大で最後のクーデターを描いたこの映画は
非常にスリリングで、超一流のサスペンスに仕上がっています。

ただ疑問がひとつ・・・ロケーション、衣装、車両、俳優の容貌にいたるまで随所にコダワリ
を配した監督やプロデューサーは、何故言語にまでこだわらなかったのかなぁ？

まぁ、英語でも独語でもいい映画には違いないけどね。

結末が分かっているのに面白かった

　「トロピック・サンダー」でダンスしてたオジサンと
シュタウフェンベルク大佐が同じ人だなんて思えないわ。

この映画のトム・クルーズは、とってもカッコいいし、
いろんな顏がある役者さんってスゴイな〜と思いました。

ヒトラー暗殺計画「ワルキューレ作戦」のこの映画・・

作戦の行く末が分かっているのに、ハイテンションで
スリリングな展開。緊迫感あって、とても面白かった！

秒刻みの作戦なのに、お天気の悪戯やら、あんなことで
○○しちゃうなんて〜。ヤキモキするほど入り込んだ。

祖国のために、信念を持って行動する姿に惹かれるし、
どの登場人物も味があって、じっくりと堪能しました。

史実に基づいた佳作。大ヒットとはいかないけれども、良心的なサスペンス作品

　派手さを抑えた、良質な佳作映画です。娯楽要素も
忘れていません。

公開当時のTVスポットとかの印象、それに、監督が
たとえば、スーパーマン新作などの演出の記憶もあって、
もっと娯楽映画なのかと予想して鑑賞しました。

でも、違っていました。

過剰な演出は回避し、トム・クルーズを起用した英雄物語に
なりがちなところを、英雄モノにはせず、史実をできるだけ忠実に
再現しようとした心意気が垣間見えます。

しかし、単なる史実の再現だけではなく、静かに裏で進行する
暗殺計画から始まり、だんだんと盛り上げていき、暗殺の中止、
そして、決行、脱出、ワルキューレ作戦の決行などと、クライマックス
に向かって突き進むさまは、観客の興奮、サスペンス心を満足させます。

そして、ラスト。ハッピーエンドであろうはずもないけれども、結局
ナチス帝国がどうなったのか、をすでに知っている我々は、この作戦と
シュタウフェンベルク大佐他、クーデターに関わった将校や軍人たち
が、いかに祖国愛に基づいて、信念の行動をとったかを知るにつけ、
感動せざるを得ません。

登場人物の関係が少しわかりにくいことや、人物の感情描写を十分に挿入する
時間の尺がなかったのは残念ですが、暗殺計画を丹念に描いたことや、
構成やストーリー展開は一級のサスペンスであり、同時に、シーン構成や
カメラワーク、描写の丁寧さが画面から伝わってくる、良質の作品で
お薦めです。

目撃者

　　過去のこと、もう終わったこととはいえ、
その出来事、真実、思い…そして結末、目撃することは本当にしんどい。
最近そういった「真実の話」といわれる作品がさらにリアリティーに磨きをかけ、
見る者に一撃を与える、そんな感じがします。
　この映画は大胆にも、ヒトラーについて、この戦争の背景などについて
そういったことは省いています。
ある共通の意志を持った者たちと、その行動をピンポイントで描いています。
世界の大体の人が知っている登場人物だったり、出来事だったりを
こうして1点に絞り凝縮させることで、臨場感が高まります。
ただ意外だったような、でも目撃してみればありがちな話としては、
いろんな地位、部署の人間たちがどちら側につくかの計算を働かせるくだり。
勝者となる方に最後には付いていればいいわけだ。
ということは軍部の中にはさほど狂信的ではなかった者、
それどころか現実的な計算をしていた者が多くいたということなんですね。
祖国を思い命をかけた人たちとの対比、熱い思いと冷めた感情
重く静かに伝わってきました。

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