General AAS:DVD名画劇場 ソルジャー・ブルー−ユルコロ情報

ホーナスの存在が嘘

　ロードショー当時、ある著名なジャーナリストが、あのように良心を持った騎兵隊の兵士ひとりを加えたことが唯一のフィクションだと言っていました。
今回何十年ぶりに観て、映画の冒頭のテキストを初めて読んだ気がします。
またオープニングの歌の歌詞も初めて理解しました。
ラストシーンとバックに流れる音楽の乖離に音楽担当者の凄みを感じました。
ベトナム戦争を抱えたアメリカンニューシネマの内証的な作品として構えて観るのではなく、シナリオも素晴らしく、十分笑わせてくれ楽しめる作品です。
アメリカングラフティーや卒業が色褪めて見える年齢になっても、決して懐かしさだけではない感動がありました。
ただ、音声に乱れがあり、色彩の補正も不自然で、血の色が強調されすぎます。
DVD化余りにも遅かった名作です。
懐かしんで観るも好し、騙されたと思って若者も観るも好し、映画オタクなら外せない一作としてみるも好し。
今日から「ソルジャーブルー」を検索しなくて済むと安堵しております。

これを見ずしてニューシネマは語れない

　絶版のVHS版にレビューを書いてはや数年
ついにDVDになりましたか、、、、
感慨無量であります。
公開当時、映画＝娯楽だと思っていた「少年→青年」期の
若造が初めて出会った衝撃！
ネイティブアメリカンを被害者として描くなどとは、この作品
登場以前は、だれも夢想だにしなかったのでは。
アメリカ大陸は「発見」されたわけではなく、すでにそこに
住んでいた人々がいたことを身をもって知らされました。
「勝者によってのみ語られる歴史」に映画という手法をもって
真っ向から対峙したこの作品の試みが、後の映画に
与えた影響は計り知れないものがあると思います。
同時に、ベトナムでの米軍の残虐行為に世界の
目をむけさせる狙いがあったことも、発表当時の
時節を考慮して見て頂きたいと思います。

擬態

　　ジャケット、バフィーの歌、ディスクメニューに流れるロイバットのインストロメンタルすら・・・すべてが懐かしく、大切な映画。ずっとDVD化を待っていました、というのが、個人的感想。
　こんな映画、ベトナム戦争当時、よく公開できたものだ、さすが自由の国アメリカ？
　しかし、この映画、うまく公開できる形に作られているのだとも思う。
　冒頭のアワアワいうインディアンの襲撃、気弱な騎兵隊員と気丈な娘の恋の道行、筋骨たくましいイタリア系シャイアン酋長など、いろいろ伏線はあるものの、50年60年代の西部劇を思わせる演出（ゆえに、すぐれた「青春映画」でもある）。アイバーソン大佐が馬糞にまみれ喚き散らすまでは、まるで「普通の西部劇」のようです。
　そして、終盤になって、冒頭のテロップ：人類は5000年の歴史を血で記してきた（字幕の通り）ということばを思い知らされる。この映画は、古典的西部劇の形態を借りて、アメリカの歴史の恥部、ひいては人類への警鐘を描いた作品だと思う。

　ちなみに、タイトルバック：クレスタが先住民集落を抜け出すシーンだとずっと思っていましたが、ホーナスを残し騎兵隊キャンプに向かうシーンが流れているようです。DVDお持ち方、これから購入される方は確認してみてください。

アメリカン・ニュー・シネマの傑作！

　インディアン問題に深い関心をもつキャンディス・バーゲンが熱演しているところが最大の見どころ！ほとんどノーメイクかと思われるほどヤンキー娘ぶりを演じているかと思いきや洞窟のシーンは一転して純真で可憐な美しさが格別。ＨＤリマスター版でどこまで画像が綺麗になっているか期待したい。キャンディス・バーゲン出演映画の中で同じブエナ・ビスタ作品の傑作「愛の狩人」もぜひＨＤリマスター版でＤＶＤ化を強く要望したい。それとなぜかビデオも発売されていない「パリのめぐり逢い」と「愛はひとり」もぜひＨＤリマスター版でＤＶＤ化を！

ロイ・バッドの音楽が優しく悲しい

　他の方も書かれていますとおり、衝撃的なラストはトラウマになるかもしれません。（チミノの「天国の門」の比じゃありません。）ピーターストラウスの、なんともいえない哀愁を帯びた姿が印象的です。音楽は巨匠ロイ・バッド。ＤＪ御用達の「狙撃者（名盤中の名盤！）」とは打って変って、牧歌的な曲（特に「緑野に空は青く」は感涙もの）が優しく心に響きます。

中国の人にも見せたいなぁ

　珠玉の作品が並ぶこの素晴らしいメーカーさんのDVD名画劇場のシリーズの中でも、私が個人的に一番嬉しかったのがこの映画のリリースです。サウンドトラックがよれちゃってたみたいで、それでなくてもフラット気味のBuffy Sainte Marieの主題歌が音痴に聞こえるという欠点はありますが、それでもこの映画は本当にいい！やっぱりいい！アメリカンニューシネマにはよくあるパターンで、ラストシーンのためにひたすら物語がつきすすんで行くようなものなんですが、でもその間の男女２人の荒野のロードムーヴィーとでも言える展開もとっても魅力的です。４０年も前にこんなに切ない反戦映画の名作が作られているのに、争いごとはなくならないものだと思うとそれも切ないけど、多くの人に見てもらいたいなぁと思える映画です。ガラにもなくついピュアに気持ちになってしまう映画なんです。恋愛映画としてもいいですよ。

子供心に、当時とてもショックを受けたのを今でも覚えています。

　この映画が、僕が子供の頃に、テレビの洋画劇場で放映されたのを思い出します。子供心に衝撃的な内容で、当時とてもショックを受けたのを今でも覚えています。
その映画が、今回ＤＶＤ化されるのを知って、懐かしさも手伝って購入しました。作品中、吹替音声の無い部分は、テレビ放映時カットされていたという事だろうと思います。確かにラストシーン、インディアン女性が複数の騎兵隊員にレイプ・殺害されるシーン等、当時としても、流石に放映出来なかっただろうシーンも多々含まれていました。
それと同時に前半から中盤に掛けて、二人の主人公が、反発しあいながらも徐々に互いを認め合い、チョット、エッチなシーン等も織り交ぜながら、やがて愛を育み、そして互いにかけがえの無い存在になっていくというロードムービー・恋愛映画としてもとても良く描けていると思います。多分、こういったシーンもあったからこそ、思春期に入り始めていた僕の心に強い記憶を残した一本になったのだと思います。
それにしても、アメリカン・ニューシネマと言われる作品群、ダスティン・ホフマンの「卒業」だとか、ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォードの「明日に向かって撃て！」だとか、この作品にしても、ベトナム戦争の影響をとても強く観て取れます。
ベトナム戦争を引き起こしたアメリカ人の傲慢さと共に、それをキチンと批判する・批判できるアメリカ人の多様性と懐の深さも感じます。マイノリティへの迫害と言い得る、こういった歴史的事実をキチンと描き、後世へと伝えるということも、又、映画の使命でもあると感じました。
ラストで、キャンデス･バーゲン演じるクレスタが、ピーター･ストララウス演じるホーナスに微笑みかけるシーンが、ずうっ〜と謎でした。なんで、こんなに凄惨な出来事が起こった直ぐ後なのに…って…。今回、このＤＶＤを見て、”ホーナスが騎兵隊の馬車に罰・懲戒者として引き連れられる姿を見て、彼がインディアンの惨状を理解してくれた。共感してくれた事に対しての謝意を込めた笑み（キャンデス自身の）”だったのかなとも考えました。
主演のキャンデス･バーゲンさんが、男に媚びない凛とした、とても素敵な女優さんだなあ…と思いました。

「ゴールデン洋画劇場」での放映を思い出す。

　騎兵隊が先住民を虐殺し、バラバラに切断した手足を槍の先に刺して、誇らしげに歓声を上げながら振りかざす場面に呆然とした覚えがある。（今にして思えば、よくぞテレビ放映したものだ）
とうとう吹き替え音声付のDVDが発売されるのかと思うと、（すでに他の方も書いておられるが）まさに感慨無量。

ようやく国内版の発売です

　米国では２００６年にＤＶＤ化されましたが、
国内ではＬＤ以降、もう発売されることは無いかと諦めていました。

公開当時、ベトナム戦争に苦しむアメリカで公開中止が相次いだぐらいに
過激なシーンも含めて物議の多かった作品です。

私が公開時に見てから、もう４０年近い歳月が流れたんですね。

1860年代の西部が舞台です。若い兵士とシャイアンの娘が恋に芽生え、
あまりにも立場の違う二人が戦いを超えて愛を実らせます。
ストーリーは簡単ですが、あまりにも過激な騎兵隊のシャイアンの
居住地への襲撃に身が凍ります。
特に、ラストの２０分間は公開当時は国内でもカットする映画館が続出しました。
監督はラルフ・ネルソン
主演はキャンディス・バーゲン、とても美しい、そして素晴らしい演技です。

主題歌は、あの「いちご白書」の「サークルゲーム」を歌ったバフィ・セイント・マリーが歌います。

いつまでも手元に残しておきたい一品です。

入手後の感想ですが、
かなり画質も良く発色もしっかりしています。
おそらく、ＢＤ化はされないと思います。
やはり保存版として買って良かった

7/24（金）念願かなってこの作品のDVDを手に入れた！

　子供の夏休み期間中という事もあって、中々ノンビリとDVD鑑賞の時間が割けなかったが、漸く8/3（月）に1時間54分強の物語を楽しませてもらった。

TVのロードショー枠で観てから30年以上の月日が経っていたので、正直言って、内容については何も覚えていなかった。
それ故、サンドクリークの大虐殺Sceneは今観てもかなりShocking。
映画では1時間42分経過したところから僅か6分弱の出来事だが、観るに堪えないSceneである。

こういう映画を観ていると、Americaと言う国が如何にもご都合主義に塗れた国であることがよく解る。
Hollywood映画には、世界各国で起こっている武力紛争を題材とした作品が多々あるが、そういう作品には必ずと言って良いほど、虐殺Sceneが含まれており、
その首謀者を如何にも血も涙もない外道のような描き方をしている（最近観た作品では「ランボー 最後の戦場」がそう）。
しかし西部開拓時代にはAmerica自身も同じような事をしていたのにも拘らず、それをおくびにも出さず、他国の出来事を批判を込めながら、娯楽作品として製作する厚顔無恥な姿勢には呆れてしまう。
それだけにこの作品は当時、ベトナム戦争への批判がAmerica国内で巻き起こる中、American New Cinemaの1本として製作され、
それまでAmericaの強さ、男のRomanを象徴する格好の題材であった西部劇に対する、1つの転換期を迎えさせた重要な作品と言える。

それにしても、クレスタとホーナス2等兵との仄かな笑いを誘う珍道中及び青春物っぽい映画の雰囲気を一変させる虐殺Sceneはくどいようだが、衝撃的だ。
ロイ・バッドの美しいScoreが流れ、2人の甘酸っぱい想いが描かれている1時間30分弱のRoad Movie的物語とあの虐殺Sceneとでは、まるで別の作品を観ているようである。

最後に一言。
「Soldier Blue」とはホーナス2等兵の事を意味していたとは知らなんだ。
劇中、クレスタがホーナス2等兵に対し、何度も「Soldier Blue」と言っていたので、初めて気付いた次第。
日本語吹き替えではどう訳しているのか、後で確かめよう！

ラスト１５分の虐殺シーンはショッキングです。

　　｢野のユリ｣、｢まごころを君に｣（アルジャーノンに花束をの映画化）など社会派の印象が強いラルフ・ネルソン監督が騎兵隊によるインディアン虐殺(実話です）を描いた問題作。劇場公開から何年かたってテレビの洋画劇場で観たので、アメリカ公開時の反響は知らないのですが、ニューシネマやベトナム反戦で盛り上がっていた時代だからこその作品ではないかと思います。西部劇のヒーローたる騎兵隊の残虐行為（レイプ、殺戮）の描写は、日本のお茶の間で見ていた子供たちにとってもたいへんショッキングなものでした。

　さて、今あらためてＤＶＤで観ると・・・。インディアンと生活を共にして彼らに共感を覚える勝気な白人娘（ブロンドのまさにアメリカンガールといった感じのキャンディス・バーゲンが演じるからこそ、配役の妙です）と騎兵隊の正義を信じる心優しき二等兵（ピーター・ストラウスこちらも好演）の二人が荒野をさまよいながら心をかよわせていくところがいい感じでなかなか面白い。いつの間にか映画に引き込まれます。でラストの阿鼻叫喚の場面となるわけですが。生首や、ばらばらにした人体を手に狂ったような兵隊たちの描写はちょっとやり過ぎで、もうひとつリアリティが感じられないように思う。まあ悪夢として描いているとも言えないこともないですが。とはいえラスト数分の強烈な描写のショッキングな印象は変わらず、やっぱり何か暗澹たる気分にさせられます。
このＤＶＤ、画質は良好ですが、音声が２、３箇所よれるようなところがあります。鈴木弘子さん、柴田さん（大草原の小さな家のお父さん）の吹替えも嬉しい。

西部開拓の恐ろしい歴史の一場面…。

　現在200万人程度であるアメリカ・インディアンは、コロンブスのアメリカ到達以前には5000万人以上はいたとも言われる。

インディアン達は白人に勝手に土地を奪われ、抵抗すれば武力弾圧され、親兄弟を虐殺されて現代に至る。
本作では無抵抗の村民を皆殺しにした「サンドクリークの大虐殺」を描いた作品であり、終盤の残酷描写はどんな戦争映画をも上回る。

本作が製作されたのは、ベトナム戦争が激化して米軍によるベトナム村民虐殺などの話題により反戦反米思想が渦巻いていた時代が背景になっている。
サンドクリークを描くことで戦争全体に対する強烈な戦争批判となっているが、本作が単なる批判映画ではなく、映画そのものとして優れているのは脚本にあると思う。

確かに大虐殺へ向けてストーリーは集約していくが、それまでは主人公の男女による和気藹々とした、見方によってはコメディタッチな描写もある。恋の要素もあり、風変わりな「ある世の出来事」的な展開とも思える。
楽しさから一気に奈落の底へ突き落とされるような…主人公の真理をリアルに追随するような体験を観客は味わうことになる。

無抵抗なアメリカインディアンへの虐殺はこの事件の他にも「ウォシタ川」や「ウンデット・ニー」など数多くあり、多くの虐殺の上に今のアメリカが築かれている。
さらにその後の歴史ではアフリカから40万人以上の人々を拉致して奴隷化したのだから…。
まさに「勝てば官軍…」といったところだろう。

因みに本作では触れられていないが、虐殺を命令したチビングトン大佐はその後、事の真相が暴露されて不遇の内に生涯を終える。

リアルな残酷描写の為に子供にはお勧めできないが、人間の歴史として観るべき映画かもしれない。

なおジャケットのイラストは本編のシーンとは何ら関係のないイメージ画である。

白人がいかに卑劣で残酷かを説いた問題作だが…

　1860年代、アメリカ中西部のコロラドでインディアンと開拓者、騎兵隊との衝突が続いた時代の物語で騎兵隊が協定を破りシャイアン族を襲いやがて凄まじい戦いに発展していく経過をシャイアン族の中で暮らしインディアンの生活になじんだ白人少女のクレスタとインディアンへの復讐に燃える若き兵士のホーナスを含めた様々な人間関係の中で人種差別問題も加えながら展開されるが人間を善人・悪人に分けているのが余りにも型通りで、展開もワンパターンであり、おまけにこの映画の最大の見所がインディアン達の首が飛ぶは、子供、女、老人関係なく次々大殺戮されていくラストの残酷場面が売り物というのはいかがなものか。昔の白人たちがどれだけ残酷で汚い人種かを描いたのはわかるし開拓魂なんてウソっぱち、先住民族を白人たちが虐殺しただけであった…。正論からいえば納得できない事はないが、内容が少し陰気過ぎて決して悪い作品とはいわないが正直言っていささか残酷リアリズムに走りすぎたといわざるをえないでしょう。ラルフネルスン監督は好きな監督だから余計に惜しい気がします。

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