エドワード・ズウィック:ジェームズ・ニュートン・ハワード:クレイトン・フローマン:戦争:ディファイアンス プレミアム・エディション [DVD]−ユルコロ情報

００７を忘れて・・・

　私にとって、この作品は、単にストーリーへの興味だけではなく、「00７ではないダニエル・クレイグ」を観たいという気持ちがあった。
大当たり。
エドワード・ズウィック監督も解説で言及していたが、そこに居た彼は完璧に007とは別人だった。

寄せ集めのまとまりにくい集団を率いる「リーダー」であり、またなんといっても「主役」という立場でありながら、シーンによっては、（そういう役柄だったのさと言われれば言葉もないが）、「人を立てる」ことも出来る彼という人間に、非常に好感が持てた。

「生き延びる」ことを目的にする兄と「復讐」に重きを置く弟。
結果的には兄の言うように「生き延びる」選択によって、多くのユダヤ人が助かった。

こんな隠れた歴史は、今回初めて知った。「ユダヤ人」といえば「ガス室」というおぞましい話しか知らなかったが、今回、こういう抵抗運動に参加し、生き延びることが出来た人々がわずかながらも居た事は、私にとって、小さいながらも慰めとなった。

脚本：エドワード・ズウィック
その他：ジェームズ・ニュートン・ハワード
脚本：クレイトン・フローマン

メーカー：ポニーキャニオン

多少の脚色あれど

　人として行きようとする素晴らしさは伝えてくれました。コミュニティで起きるイベントは、ありきたりだけども、分かりやすく共感しやすい。

辛気臭い　だけど　つまらない映画でも無い

　多くの人は大抵　誰かの大きな壮大な夢に翻弄されるか、それに便乗して自分の儚い夢を叶えようと　あくせく働く毎日を送ってる
発言する奴、強い奴が正義の時代に　その小っぽけな行動すら抑圧され　目の前の自由が突然奪われたら
生きる希望は何処にも見当たりません。

一度奪われた選択枝を己に引き寄せるには　ほんの少し　だけど決して揺らがない決意と勇気をもって強者に立ち向かうしかない
だけど　万人が、その心粋を持ち合わせている事は無く　自分可愛さに何も行動しない人で溢れてる
だから必然的に　一番やさしいな　思いやりのある人が　仕方なく強者の振る舞いを身に着ける事になる

今まで　争いは何も生み出さないと思ってた　だけど　争いが起こる事は再スタートの合図なんだなって思った
今までのやり方を変えるチャンス　見えてるのに見ていなかったモノに気づくチャンス　変化しない自分を変えるチャンスなんだって
言うような事をこの映画で学びました。

ダニエル・クレイグはカッコ良いし　終盤の兄弟の絡みも　すごく　グっときました。

星3.5

　オスカー受賞監督がジェームス・ボンドで戦争ドラマ。ナチ占領下、ユダヤ人兄弟がベラルーシの森へ逃げ込み、ユダヤ人村を築き、ロシア反乱軍と協力して戦う。

実話と謳いがらも史実と異なるのでは、という批評も聞きます。実話に基づく、くらいに受け止めて素直に映画を楽しむのがよいかと。

X-MEN ウルヴァリン:オリジンを観てて、あれー？リーヴ・シュライバーが兄弟で戦いまくるこの絵柄はどっかで観たぞ、と。そんな理由で見直してみた映画でした。

もう一味足りない印象。ナチス側に兄弟を追い詰める「敵役」を出せばよかった。

　第二次大戦下、ナチスの東方侵略により祖国を蹂躙されたヨーロッパの小国・ベラルーシで、両親を殺害されたユダヤ人３兄弟のレジスタンスを率いての抵抗活動の軌跡。

冷静な長男。喧嘩っ早い次男。実はリーダーの素養を秘める三男。
広大な森に潜んで女子供も含めて「守りの戦い」を続けようとする長男に反発する次男はキャンプを出ていきソ連軍に加わる。
冬には平気で雪が降るような過酷な環境で数百人を毎日養うのは相当苦しい。
まず住居。常に敵に発見される危険と隣り合わせ。見つかったら逃げて場所を移さねばならない。

さらに毎日の食糧。数百人を養うのは容易ではない。近隣の農民から略奪するようなこともあった。
狩りをするったって、毎日獲物にありつけるわけでなし。

女性や老人や子供も多数いる集団では積極的な攻撃など出来ず、生き延びることが中心になってしまうのは仕方なし。
そして、作中で捕虜にしたドイツ人兵士を怒りに燃えるユダヤ人たちが集団で撲殺するシーン。
リーダーである長男はそんな彼らの行動に無関心で制止しようとはしなかった。

多くの同胞を殺されたユダヤの心情を鑑みればこれも仕方なし・・・・？
リーダーが止めに出ることを期待しながら見つめた参謀の男の意に反して動かない長男にむしろ驚いた。

ナチス側に兄弟お追い詰める敵役が出てこないので、エンターテイメントとしては今一歩。
但し、事実を元にしているので仕方ない部分もあり。

戦うユダヤ人の映画

　舞台は第2次大戦中のベラルーシ(白ロシア)。
ドイツ軍の弾圧からユダヤ人のビエルスキ兄弟は命からがら森へ逃げ、
同胞を匿いつつ小さな生活共同体を作るところから始まる。
そして、ユダヤ系パルチザン部隊を作り、広大な森を根城にゲリラ活動を展開するが、
やがて仲間や逃げてきた人々で膨れ上がり、様々な困難に直面する。

ただ虐待されていただけでなく、ユダヤ人も働き、戦っていたという事がこの映画のテーマ。
ユダヤ人自身も憎しみによって惨劇を引き起こす描写もある。

主演で長男トゥヴィアをダニエル・クレイグが演じている。
時期的に『007/慰めの報酬』と被ってましたので、こちらはあまり脚光を浴びてません。
監督は『ブラッド・ダイヤモンド』のエドワード・ズウィック。
なんとなくテンポ感やエンターテイメント性があるのも『ブラッド・ダイヤモンド』に作りが近い。

映画を見ていてロシア人との会話はロシア語でユダヤ人同士は英語を使っていてちょっと違和感を感じる。

日本で公開されたのがガザ侵攻後だったので、どうしても現実と重ね合わせてしまう。
事情は違うが、ドイツ軍が戦車や爆撃機を使ってパルチザンを追い詰めている事と同じ事をしているのではと思ってしまう。

ガザのことが無ければ、もっとストレートにメッセージが伝わったのかもしれない。

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