General AAS:新宿インシデント [DVD]−ユルコロ情報

ジャッキーの新境地

　本作品の舞台は日本の新宿ですが、製作陣は中国側ということで、内容は完全に香港のマフィア映画そのもの。日本、中国、台湾入り乱れての「仁義なき戦い」みたいなヤクザ映画と言ってもいい。

本作では、アクション無し、コメディ要素も封印したジャッキー・チェン。彼の演じる鉄頭は、凄くピュアに仲間を想っているのに、生きるために悪に手を染める．．．。
根は善人だったのに、逃げるために仕方なく人を殺し、生きるためにさらに殺人に手を染める。悪と手を切ろうとしても、一度足を踏み入れた裏社会に引き戻される。映画は善悪の狭間で板挟みになる主人公の苦悩をノワールなタッチで描きます。
しかも、主人公を初めとする不法入国の中国人達の視点を中心として新宿という街を映しています。この逆の視点は日本人には新鮮かもしれませんね。カメラが裏路地や非常階段、下水道を走りまわります。抑えた色調の映像も、新宿歌舞伎町に息をひそめる中国人不法入国者の人生の様だといったら褒めすぎか。

弱い者が団結し『力』を持てば、やがてそれが権力になる。人間の欲望はとどまることを知らない、そんな業の深さがリアルだ。
合従連衡・裏切りと欺瞞、言葉や国籍は関係なく利害の一致したときだけ手を組み、用がなくなればあっさり切り捨てる。その変わり身の早さはこの世界で生き残る処世術。最後まで非情になりきれなかった鉄頭の運命があまりにも悲しい．．．。演技派ジャッキー・チェンもなかなかよかったです。

メーカー：ジェネオン・ユニバーサル

ダニエル・ウーのメイク(笑)

　作品の出来に星4つ。ジャッキーの挑戦に星1つ。 と、しておきましょう。 ジャッキー初のR指定。 約30年間守り続けた、子供からお年寄りまで一緒に見られるアクション・ヒーロー像を見事にぶち壊してくれています。 予告編の《かつて、こんなにも激しいジャッキー映画があっただろうか?》なんてナレーション。 この手のキャッチは『新ポリス・ストーリー』の《今度のジャッキーは本気(マジ)だ!》で、既に使われていますが、 あの作品は結局自身のスタイルを崩し切れず、相変わらずなジャッキー映画に仕上がっていました。 でも今回は本当に予告通りの内容でした。 ネタバレで恐縮ですが、ベッドシーンがあります。 当方は男ですがショックでした。 《ドラマチック・バイオレンス》と紹介されているように、今回はアクションではありません。 カンフー、スタント・アクションは一切ありません。 バットや刀を無我夢中で振り回すだけ。 監督が『つきせぬ想い』のイー・トンシン。共演がダニエル・ウー(変貌ぶりに注目!)、竹中直人(企画段階では渡辺謙だったと思われる。)、加藤雅也 等。 かなり豪華なメンツが揃っています。 ただ、ひとつ気になったのはジャッキーです。 《これで良かったの?》 と心の中で問いかけました。 いつまでもアクションはできないだろうけど、ここまで変える必要はあったのかなぁぁぁ...と心から歓迎できない部分もありました。 パンフにも書いてありましたが、 他の役者と違い、ジャッキーの場合《新境地開拓》なんて生易しいレベルではないと思いました。 本当にいつもの感覚で見てはいけません。 絶対、子供には見せてはいけません。 天津甘栗が好物の方は注意が必要かもしれません。 本作を見る前に『八仙飯店之人肉饅頭』なんか見ればショックは半減されると思います(笑) 長文、失礼しました。

新しい

　これもまたジャッキー映画ですね 楽しかったです 今までの ジャッキー映画で カンフーが強かった 人達は 今回は 1中国マフィアとして ヤクザ抗争で あっけなく死んで行きます

ジャッキーも 華麗な カンフーを披露しません

素人の争いみたいな 絡みになります

しかし この映画の見所は
今でも貧しい中国人の悲痛な想いを ジャッキーが代弁しているということです

生きる為には どうするか
などなど 大変考えさせられる作品でした

カタコトの日本語

　内容的にはワンナイトインモンコックの新宿版プラス東映の実録物といった趣でしょうか。舞台は90年代の新宿。大陸出身の中国人が恋人を探しに多くの難民と共に日本に密航して来るが生活の為裏の商売に手を染めていくうちヤクザ同士の抗争に巻き込まれ次第にのっぴきならない状況に追い込まれててゆく。無許可で撮影されたと言われる新宿のロケーションが素晴らしい。日本の描写も嘘臭さが一切無い。加藤昌也と竹中直人がカッコ良い。ジャッキーのリアルアクションが不評の様だけど意味が分かりません。ダニエルウーのいきなりのパンクファッションにはちょっと笑っちゃったけど。ただ海外のスターがカタコトの日本語を話しているのを聞くと哀しい気分になるのは私だけ?

素直にかっこいい。ダークジャッキー。

　いい年していつまでもかわいいジャッキーにうんざりだったので、この作品はもう最高です。こういうジャッキーが観たかったので個人的には近年ジャッキー映画の中ではベストです。往年の東映映画好きな方にもあう映画ですね。なんとなく深作映画っぽいです。

やっぱり買います。

　試写会で観ました。
内容は衝撃的でした。観たあと、DVDが発売されても買わないかもしれないと思いました。
だけど、今までと違う、新しいジャッキーのアクションスタイルも良いな〜と思いましたので必ず買います。
皆さんもジャッキーのバイオレンスアクションを観てみては、いかがでしょうか。
内容は賛否両論に分かれると思います。人それぞれだと思います。
説明が下手ですみません。

やっぱりジャッキーは凄かった。

　全体的に今までのジャッキー作品とは違う意味で激しかった。
それにしても、50代とは思えないくらい若々しい。
一応、中国映画ではあるが、共演者も凄腕が揃ってたので、ジャッキーの出ている日本映画と思えるくらい違和感がなかった。
ストーリーもテンポ良く、ラストまで一気に見れました。個人的にはクライマックスの激しさ、投石のシーンが凄いと思いました。(見てのお楽しみ。)
ただ、暴力シーンが多いので(R−15)、子供に見せられない(今のところ)唯一のジャッキー映画ということで星4つ。

食わず嫌いはやめよう

　ジャッキーが大好きでほとんどの作品を見てきました。 でも、最近は年のせいかあまりアクションの迫力もなくなり、今まで見てきたからっていう義務的な気持ちで見る感じが多かった中、今回、アクション封印なだけあり見る気はなかったです。 とりあえず見るだけ見てみようってことでレンタルしました。良かったです。本当に良かったです。 ジャッキーだってアクションしたくないときあるんだなって思って、誰だって何かをやりたくないときあるよな〜って、ジャッキーもジャッキーですが、あまりにも勝手にジャッキーといえばアクションって思いすぎてたのかなって思います。 アクションがないと絶対に嫌なら見ない方がいいです。 人それぞれですが、普通に面白かったですよ。

アクションをしないジャッキー・チェン

　ジャッキーが全くアクションをやらなかったことには
そりゃあ賛否両論あるでしょうし、むしろ無い方がおかしいでしょう。

個人的には「あり」だと思えました。
もうジャッキーも５５歳・・・いまさらプロジェクトＡやポリスストーリーや
はたまたスパルタンＸでベニー・ユキーデとガチンコ勝負までやってたほどの元気を
今のジャッキーに求めるには無理がありますよね（＾＾；）

ジャッキー自身も前々から自らのスタイルを変えたいと言っていたし、
だったら本人のやりたいようにやらせるべきではないでしょうか？

本作の内容は、日本へ出稼ぎに行ったきり１０年間音沙汰ナシの恋人を探すために
主人公（ジャッキー）が日本へ密入国して新宿の歌舞伎町にやってくるというもの。
しかし、苦労に苦労を重ねてやっと見つけた恋人は、
あろうことか日本のヤクザの女になっていた・・・。

そこから主人公は転がるように地獄のどん底へと堕ちていくわけですが・・・。
その先の展開と、ジャッキーの“新境地”は是非皆さんの目で確かめてください。

ただし、従来のジャッキー映画では到底考えられなかった
過激な暴力シーンにだけはくれぐれもご注意を・・・。

新しいジャッキーはこの映画で完結したんじゃない！ これからだ！

　いろいろと評価が分かれているこの映画ですが、自分的には「あり」でした。ジャッキーの大胆な挑戦にまずは拍手をおくりましょう。客観的に見たときに、外国映画の中の日本の描写としては、かなりしっかりしていると思います。ハリウッド映画のいまだにトンデモなジャパンとは比較にならないくらいリサーチされていると思います。この映画の設定となっているころの新宿は、私が初めて社会に出て働き始めた場所であり、また、大久保あたりのたちんぼさんなんかも当たり前のように目にしていたので、現実の裏側にはこんな感じの事実が隠されていたのかなぁ、なんて、考えさせられました。まあ、映画の中の「お話」ではありますが、取り巻く状況はあのように過酷だったことは事実なのだろうと思います。

まず、この映画を見る前に、これはジャッキー・チェン主演の映画だけれども、「ジャッキー映画」ではないということを肝におきましょう。今までの華のあるジャッキーはそこにはいません。救いようのない状況に翻弄される、重ーい、切ないジャッキーがそこにいます。見終わって、ハァ〜と、何とも言えないため息が出てしまいます。

ジャッキーが「悪」を演じ、今までのジャッキー映画のタブーをすべて打ち破る、というようなうたいですが、「悪」を演じているのではなく、そうせざるを得なかった男の物語ということで、ジャッキー演じる鉄頭の根底には最後まで「良心」が流れていると思います。そこをついて「期待はずれ」であったり「まだまだ殻を打ち破れてない」というような評価をする人も周りにはいますが、この映画に、鉄頭の捨てきれない「良心」がなかったら、本当に救いようがなかった。皆さんは、どのように思われるでしょうか？

アクションだけでない新しいジャッキー。それは、この映画で完結したのではなく、この映画から始まったのです。今後も映画人として精力的に活動するジャッキーを期待しましょう！

★もっとレビューを見る★