ドキュメンタリー:10%OFF★ショア−ユルコロ情報

■「アウシュビッツ以降の評価不能」を超克した作品の出現

　■「アウシュビッツ以降に語ることの無意味」を超克した作品の出現

【アウシュビッツをうかがう３つの映像的視点】
●ランズマン監督の『ショア』には、死体の記録映像も、再現ドラマもない。ただ、この状況を、加害・協力、無抵抗により現在まで生存した人間の証言と、景色が、５４１分、我慢強く描かれている。この商業映画には無い情報コードの進行に、見る個々の人間の何が喚起されるのか、ご自身の心身でお験しを。
●アラン・レネの『夜と霧』は、ホロコーストの経緯と、解放直後の収容所を描いた記録映像。夥しい数の死体、冷たい視線、無気力者の群れ。絶対零度の臨界に、人間は消失したように見える。人間を消さなければ、もたないからである。
●スピルバーグの『シンドラーのリスト』は、すべて、俳優によって再現された映像であり、画面はフィクションだが、収容所の死におびえつつも、暖かな人間が、しっかりと演じられている。ゆえに「残酷さ」も際立つ。

【アウシュビッツ以降に語るための「方法」が描かれている】
●もっとも単純なかたちで、次のように尋ねれば、それで充分なのかもしれない。「何故、600万人のユダヤ人の一人一人は、計画的に殺されたのか」と。このように問うことによって、この国家的犯罪の事実のおぞましさが、一挙に露呈することになる。思想や、宗教観、歴史を持ち出して、この醜悪な犯罪を、神聖化したり、特殊化することを、ランズマンは、拒否した。
●日本国憲法は、国家権力によって人間を、戦場［＝人殺しをしないと自分が生き残れない場所］に、強制徴用派兵［戦うことを拒否すれば、法により罰せられる環境への強制移動・管理］することを禁じた、世界でも稀有な憲法である。国家による戦争を発動しない国家「日本」。その国が、いとも簡単に、アメリカの発動した戦争に、「なんちゃって参加」している異常ぶり。
●戦場で人殺しの強制をさせられるのと同じく、収容所に強制移送・隔離のうちに、収容所の虐殺を管理する側に協力しなければ、自分が殺されてしまうという恐怖の持続のうちに、同胞の殺戮に協力した者たちが、ランズマンのドキュメンタリー「ショア」の証言者である。彼らも、順番に殺されていったのであるが、ある日の解放をもって、その連鎖は偶然に止まり、彼ら数人だけは「生き残される」ことになった。彼らは、過去の事実を、人間として感性、暖かさをたぐりとるように、、現代の時間と場所で、一進一退の葛藤の中で、過去の事実を語り始める。
●同じ人間が、このアウシュビッツ体験者の語りを受け止め記録する「方法」に辿り着いた奇跡と軌跡に感謝します。このような「作品」が残され、語り継がれていく可能性に、未来への一途な希望を託したいと思います。高価で希少な製品ですが、何らかの方法で、ぜひご覧下さい。

メーカー：ジェネオン エンタテインメント

これこそ映画の中の映画

　〜この映画のタイトルの「ショア」とは、ヘブライ語で「絶滅」を意味することらしい。
あのゴダールは「正しい映像などない、単なる映像があるだけだ」といいましたが、その究極の答えのような映画です。
この監督は、映画の中で「何故ユダヤ人は殺されたか？」ではなく、全人類にかかわりある民族絶滅という空前絶後の存在を「伝達する」ことが重要で、唯一〜〜の「知」であると主張している気がする。
これまでの現代の映画がもっているプロガンダ要素や偶像崇拝や権力産業との結びつきを、根本的に改革する映画だと思う。
人類の不幸な出来事が、その存在や推定や想像されるのはまだ「幸運」なことで、もしかすると完全に「忘れられたこと」すら忘れられた「絶滅」（ショア）があったのかもと思うのは、考え過ぎか〜〜な？
本当の映画を観たい方は必見です。〜

真実の力

　「ＳＨＯＡＨ」の原作本を読んだことがある方は結構いらっしゃるかもしれません。
私は、最近までこのＤＶＤの存在を知りませんでした。
購入する決意をするまで６ヶ月、購入後見始めるまで３ヶ月かかりました。

高額で、「ＳＨＯＡＨ」だけでもＤＶＤにして４枚、計９時間に及ぶ超大作。「ＳＯＢＩＢＯＲ」も加えると１０時間を越える。内容もハードな為、見るにあたっては決心を必要としました。

ドキュメンタリー映画はよくありますが、やはりどこかに作為的な感じを受けることは否めません。視聴者に対して訴えかけるように構成したり、ＣＧなどの映像を作成したり･･･。しかし、この「ＳＨＯＡＨ」にはまったくそんな点はない。ただ淡々と生存者や関係者が証言しているだけなんです。画像は現在の施設の状態等や町並みだけで、決して作った画像はありません。ただただ証言のみ･･･
それだけなのに、逆にそれだけだから訴えてくるものがあるのかもしれません。作り物ではない、まったくの真実のみだから･･･

待ってました！

　たしかアテネ・フランセでの上映だったと思うが日本での初公開、その後衛星放送で流れたものをビデオに撮って擦り切れるまで見た。あれから10年あまり。待ちに待っていたDVD化。

戦争の悲惨さを被害者側からただ訴えるのではない、重層的な作品の構造は、根性ナシのドキュメンタリーもどきやお涙頂戴映画の追随を許さない。監督は時々声や映像として作品に登場するが、時に残酷なまでのねちっこさで真実や事実に迫ろうとする姿勢には鬼気迫るものがある。マイケル・ムーアもびっくり、といえば、フランス映画を敬遠するむきにも見てもらえるんだろうか。

どの人間にとっても、その人の真実がある。そして人の死という事実がある。戦争という場において、真実と事実が立場によっていかに乖離していくのか。こういう時代だからこそ、真実と事実を安易に選別することなく丹念に追ったこの映画を、目をそらずに見て欲しい。

心に刻むべき事柄。新しいDVDになった機会にどうですか？

　知る人ぞ知る、全編インタビューから成る、しかも上映時間９時間におよぶ、異色の映画です。"SHOAH"とは、「ホロコースト」の意味ですが、その名の通り、ナチス・ドイツによるあの忌まわしい所業を、「関係者」に対するインタビュー（と沈黙）によって、表現しています。こうした手法に関しては、ランズマン監督自身が、『ル・モンド』紙上（１９９４年）で、スビルバーグ監督の『シンドラーのリスト』を「表象不可能なもの（を映画化している）」と批判しています。全編を鑑賞するだけでも大変な労力を必要としますが、アウシュヴィッツ後を生きる者としては、観るべき義務があるといっても過言ではないのではないでしょうか。ちなみに、この新しいDVDには、２００１年のカンヌ映画祭招待作品であった、『ソビブル』が同包されています。

普通の人々の言葉であるからこそ・・・

　想像を超えた暴力の象徴的存在としてのナチスドイツ強制収容所（絶滅収容所と呼ぶほうが適切だろうか）での出来事は、余りの巨大さや悲惨さのため、詩人や作家たちさえも口を閉ざして語る言葉を持ち得ないほどだった。確かに、普通の想像力ではあんなものを理解できるはずがないに違いない。しかし、現実の存在である以上、目を閉ざすことも許されないだろう。

フランス人監督が11年もの時間をかけて関係者（被害者も加害者も、さらには虐殺を知りつつ何もせずにいた周囲の傍観者も）を探し出して取り続けたインタビュー集がこのドキュメンタリー映画なのだが、徹底的なまでのこだわりで生の形に凝縮されている。約９時間半の時間が、被害者の沈黙、加害者の言い逃れやごまかし、通訳を通してやり取りされる様々な言語など、すべての飾りを取り去った生の素材だけで成り立っているのだ。もちろん、実際に記録された映像ははるかに長いだろう。とはいえ、一切の過去の映像や再現フィルムを排除し、そこに主観が入らざるを得ないにしても、インタビューだけに徹底した正直さには驚くしかなく、だからこそこれほどの衝撃を持ち得たのだと思う。ポーランド人農民の語る無意識の差別意識や無知に裏打ちされた悪意の、穏やかな空恐ろしさ。未だに反省の色もなく言い逃れに走る人の薄っぺらな醜さ。フィクションでなら白々しくさえ映る人の弱い姿が、ひたすら淡々と映し出されていく。もちろんそれこそが普通の人々の姿なのだが。

「Shoah｣という言葉自体、従来の「Holocaust｣という英語に代わるヘブライ語の名前として提示された。極端な話だが、この作品に比べれば、どんな形式であれ、ほとんどの収容所映画は甘いという他ないだろう。

粘着の感動

　映画館で見たのですが， 始まってから凍りつきました. 涙もでない.
ホロコースト(一般に分かりやすい表現として)をテーマにした作品は多くありますが，
どれとも違う， 素材そのものといったドキュメンタリーです.

ホロコーストの衝撃を伝えるのに， 映画セットや演技派の俳優は必要ない， という点で，
(これを見たあとで他のを見ると， 子供騙しにしか見えません)
監督のセンスが光っています.

ナチ側， ユダヤ人側の両方からの証言というのも貴重です.

印象深いシーンは全部なのですが，
ユダヤ人の床屋と， 最後のほうの， 列車の移動の切符のあたりが， 凄味があります.
ナチが効率主義な集団だったとは. 有能な人材がそろっていたのでしょう.

人類必見です.

ユダヤ人虐殺の証言集

　〜日本公開当時（1997年）　いくつかのメディアで取り上げられましたが　上映時間が　540分と長く　映画館では上映されなかった記憶があります。大都市では　上映する劇場　ホールなどありましたが　残念ながら見に行けませんでした。ドイツのナチスによるユダヤ人虐殺の記録映画です。絶滅収容所から生き残った人　またナチス側の人々の数多くの証言で　綴られて〜〜います。なぜ　ホロコーストが起こったのか　20世紀の忘れてはならない記憶として　鑑賞するつもりです。〜

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