山田太一:General AAS:5%OFF★異人たちとの夏−ユルコロ情報

邦画も捨てたもんじゃないね

　両親を事故で亡くした主人公が、大人になってその両親に逢い楽しいひと時を過ごすってお話ですけど、これは泣ける映画だった。
江戸弁全開の親父役、片岡鶴太郎が（意外に？）良い！
ラストは「なんじゃこりゃ〜？！」って展開でガッカリしちゃったけど、それを差し引いても☆５つ！　
ハリウッドを意識してる日本の監督さん達！こういう映画もいいと思わない？

原著：山田太一

メーカー：松竹ホームビデオ

すばらしい日本映画のひとつ

　私のお気に入りに映画の一つです。人生に空しさ、疲れを感じている人にぜひ観て欲しい。きっと優しい気分に帰りますから。

傑作

　私がこれをはじめて見たのは学生の頃でした。
両親も健在でしたし劇中の古い景色とかを見ても、懐かしさも感じない歳でしたが、この中で描かれる家族の暖かさ。主人公の自己啓発。
最後のすき焼き屋のシーンでは涙がぼろぼろ流れていました。
何故でしょうか。それらを自分に置き換えて体感できる年齢でもないのに。
いまから思い返しても、その感情は良くわかりません。
今、この映画を見返しても涙がこぼれますが、それが当時と同じ感情から流れる涙なのかは解りません。
ただ、年齢に関係なく胸を熱くさせる作品だと思います。
役者の演技も素晴らしく、その温かみが画面から溢れてきます。

日本人というものを語る上で、非常に貴重な作品だと思います。
多くの人に、この映画の中で生きている人々を見て欲しく、また、泣いて欲しいです。

大好きな作品！！（ネタバレ有り）

　この映画を見たのはもう随分前になるなーと漠然と考えていましたらもう20年も前だと気付き、時の経過に驚きながら自分の中でちっとも色あせる事のない、この作品に再会出来て物凄く嬉しいです。ﾃﾚﾋﾞで何となく見たのがきっかけでしたが他の方のﾚﾋﾞｭｰにもありますように私もまた、すき焼き屋でのシーンが深く心に残っています。大好きな父ちゃん、母ちゃん。楽しかった時間。失われたはずの家族の団欒を取り戻せたのに、手放したくないのに、お別れしなければいけない辛さが当時子供心にとても切なく涙しました。後に残された器の中の割った卵とお母ちゃんが箸袋で作った箸置きが2人が間違いなく居たんだ、と証明してくれているようでした。鶴太郎さん秋吉さんそして風間さんの泣きの演技は素晴らしいです！私は両親に何も孝行してあげていないので会える内に、言葉が伝えられるうちにせめて思いやりのある言葉と感謝の気持ちを伝えなきゃ！と、改めてこの映画に大切な事を教わりました。ラストでかつて家があった場所にもう家は無く一瞬、夢だったのかなぁと思うのですがお父ちゃんお母ちゃんとアイスを食べた器が落ちてるのを見た時にたまらなく胸に来る物がありました。名取裕子さんの所は多少微妙ですが、冒頭の父ちゃんとの再会のシーンからラストまでたまらなく大好きな映画です。優しい気持ちになれるとても良い映画です！！

泣きたい時や疲れている時にお薦めです

　年に一度は、レンタルビデオ屋で借りて観る映画でしたが、ＤＶＤが廉価になったので、購入しました。
すき焼き屋での風間杜夫の泣きの演技（いつ観ても、もらい泣きさせられます）や、男らしい片岡鶴太郎のお父ちゃん、ひたすら優しい秋吉久美子のお母ちゃんと、とても素晴らしい演技を観ることができました。

日ごろの生活で、なかなか人に甘えたりすることができない人が、いっぱいいっぱいになった時に、泣きたい時に観ると良いかも知れません。

あと、この映画で使われている音楽も秀逸です。
忘れられない旋律です。

原作を読んだ読者の期待を裏切らない

　片岡鶴太郎と秋吉久美子が、本当によい味を出して、両親役を演じています。多分、山田太一が描きたかった、いまは希少な、あの世代の親たちを、これでもかというくらいに、追求した結果なのでしょう。とかく、原作とその映画化作品では、想像の域の観点から、原作に軍杯が上がるものですが、この映画化作品は、かなりのレベルで、原作が描きたかった情景を、忠実に描いているというか、読者の期待を裏切らない水準に、達していると思います。すき焼き屋のシーンは、これは、また、本当に、よく描かれています。惜しむらくは、ラスト･シーンのおどろおどろしさですが、これは、原作をふまえれば、ああした演出しかなかったかとは、思います。

タイトルネタバレ

　親の霊とマンション住人の霊という「異人」たちとの遭遇
親だけに会うならこういうタイトルではなかったはず。
原作の山田太一さんは「雨月物語」とか「耳嚢」を意識したのかな…

やさしい涙が流れるよん。バーチャルな現代こそこの一作！

　「異形たち」と、「生身の人間」とを繋ぐ異空間を浅草という舞台に設定。セピアっぽい画面。これにハマる。映画にはあまり詳しくないが、大林映画独特のカットというのか、写真の一こまのようにすっと消えていくあの感じがタイムスリップ感を高めてくれる。死んで尚、自分より年をとった息子に「お前のことを自慢に思ってるよ」と、無償の愛と全面肯定の言葉を投げかける両親の霊と、死んで尚、男を恨みつつ、わが身を呪いつつ、それでも最後は「あなたは生きて！」と愛憎を残して消えてゆく女の霊とのふれあいを通して、すっかりハスに構えていた男は、人間らしさを取り戻すというお話。女が化け物に急変する特撮のシーンは、ちゃちっぽいとの意見も周囲であったけど、あの生々しさがいいんじゃん。親の霊との（ひたすらおだやかに、やさしい）交流の時間との対比がいいのだ。激しい愛憎もまた、人間らしさなり。あれがディズニーのCGみたいなのでは、しっくりこないのだ。それに、チープさが、花やしきっぽくて、いかにも浅草だ（笑）BGMもグー。

是非観てくださいな

　『日本の風情』が描かれている点が好きです。ランニング/ステテコでスイカ食ったり『異人達のいる空間＝なつかしき日本』としてやはり異空間になってるかと。そういう意味では少々寂しさがあります。
いつの世でも何歳になっても『大切な人との別れ』は悲しいものです。大林さんが『離別の度に泣きなさい、そして生あるものに対するいつくしみを感じなさい』とおっしゃっています（と勝手に思っています）。
ふと『１０秒間に何百人殺すんだ？』というバイオレンス/ＳＦ映画があり自分も楽しんで観ますが『なんとかけ離れた事か』と思ってしまいます。映画ってホント色々あるんだなあ〜。

泣きたい夜にはどうぞ　第二弾

　　「泣きたい夜にはどうぞ」の第二弾。因みに第一弾は「砂の器」だったが。

　死んだ両親に浅草でばったり出会う。両親は当時のままで若く　大人になっている主人公を　子供として扱う。亡霊に会っていることで　主人公は段々衰弱していき　それを気遣った両親は　２度目の「別れ」を決意する。最後は浅草のすき焼屋で　両親は消えていく。

　この父親を演じている　片岡鶴太郎が　絶品としかいいようがない。この映画を見るまでは　ただのお笑いタレントとしか思っていなかったが　この映画で全く見方が変わり、大ファンになってしまった。彼の画集を買うようになったのも　この映画のおかげである。

　それにしても　この浅草のすき焼の場面は　泣ける。母親の秋吉久美子と鶴太郎のやりとりからは　親が子を思う気持ちがひしひしと伝わってくる。いくつになっても　自分は親の「子供」であるという事を思い知らされるのだ。

　最近の日本社会での親子関係には暗澹とする話も多いわけだが　そんな時代だからこそ　もっと見られてもよい作品だと思う。

異人たちへのありがとう

　死んだ人のみならず，過ぎ去った自分の過去も含めて，失ったものへの
感謝を思いました。思い出は美しく清らかなものに浄化されます。
なくしたものは，いとおしくやさしく自分の記憶を包みくれるます。
それだからそんな思い出の人やものにすがりついていくのではなく，
「ありがとう」といいながら，前を向いて生きていくことが大切なの

でしょう。生きるということはむしろつらい大変なことなのかもしれ
ません。
この作品から勇気，励ましのメッセージを受け取りました。

今見ても感動します！

　約20年前頃、当時私は中学生で、テレビで見たのが最初で、あまりに泣けた感動作だったので、ビデオに撮ってずっと大人になるまで繰り返し見ていました。子供心にも、風間杜夫がすきやき屋のところで涙ぐみながら両親に、「行かないで」「ありがとうございました」と言うシーンには、何度見てもグッと来て涙が出ました。本来、親子とか、恋人とか、友達とかって、こんな風にあったかく接していく存在なはずなのに、現代人は疲れていて、愛情を人に与えることを惜しむことが当たり前になっていますよね。悲しいことですけど。でも、自分だけでも大事な人はこんなふうに温かく接してあげたいと、昔からこの映画のおかげでずっと思っていました。人間関係に疲れた時に見たり、家族、恋人、友達に見せてあげたら、きっとその人の心は癒され和むこと間違いないと思いますよ。癒しに大変おすすめです。私はビデオもDVDも持っていますが、この度文庫本も購入したので、やっと名取裕子の最後の消え方の意味がすっきり分かりました。原田（風間）の心がケイ（名取）から離れていったから、ケイは原田を道連れにできず、消えていくしかなかったそうです。でも個人的には、ケイも原田を本当に好きだったのだろうなと思います。片岡鶴太郎、秋吉久美子、風間杜夫は最高の俳優だと実感した作品です。

いつでも子を思う両親

　泣きました。貧しくても仲の良い両親、大人になっても親にとってはいつまでも子供。心温まる映画でした。両親が生きているうちにもっと親孝行したいと思いましたね。子供を虐待する親、それも必ず離婚して新しい異性に夢中になり子供がじゃまになるいかれた親が多い今の時代にこの映画は人間として生きる為に必要な1本であると私は思っています。鶴ちゃんと秋吉久美子がとても優しい両親を演じています。別れてしまった後のすき焼きの卵と割ったばかりの割り箸がとても悲しかったです。最後の名取祐子のシーンはよけいでしたが。ぜひ観てほしいです。

「ありがとう」の重さ

　　主人公がラスト近くに、自分の（今は亡き）両親に何度も繰り返す「ありがとう」の繰り返しに泣けてしまう。
両親に幼少の頃に先立たれ、家庭の温かさを意識しないまま壮年期に入った主人公が、子供に還り、失われた子供時代を取り戻そうとする姿が物悲しくも美しい。

結局人間なんて幼少時代の記憶に一生縛られる生き物なのだ。美しかった母、優しかった父、それに包まれた「本当は幸せだった」自分。それに気づいた主人公のすがすがしさがこの映画の全てだ。（それを知るまでの恐ろしい経験・・・それまでは言うまい）

必見の名作

　なんということはないタイトルなのだが、内容が素晴らしい。
ストーリーも「亡くなった両親との再開」という、ありふれたものだが、それでも素晴らしい作品に仕上がっている。
そこが大林作品の魅力なのだろう。
片岡鶴太郎と秋吉久美子が、いい味を出している。
画面もきれいだし、プッチーニのアリアが、これでもかと雰囲気を盛り上げる。
何度も見たくなる、宝石のようなDVDである。

甘酸っぱい思い出に会いたい

　卓袱台を囲んでから父母と談笑したくなりました。私の幼い頃のかすかな記憶にある卓袱台は軽くてこげ茶色をしています。若い「かあちゃん」と大きい「とうちゃん」を目の前にして、皺のない顔から笑い声を聞いてみたくなりました。今、薄茶色の卓袱台に頬杖つき、記憶をぐっとワイドにしながら夢想しています。

いい作品です

　公開当時、劇場に観に行きました。

スキヤキ屋の場面では涙がこぼれるのを止められませんでした。
私は高校生の時、母を亡くしていたこともありますが、
子を思う親の気持ちが痛いほど伝わってきました。
心に残る一作です。

行かないで。。。

　誰もが子供の頃、「もしお母さんお父さんが死んじゃったら･･･」と想像して不安になった事があると思います。いつだって親は子供の味方で無償の愛を与えてくれる存在です（昨今は例外もありますが）。
しかしながら「親は大事にしなきゃ」という気持ちはあっても月並みに思うだけで、なかなか実行するのは難しく、亡くなってから後悔する方も多いと思います。

本作品は『もし死んでしまった両親にもう一度出会えたら』をテーマに、息子（風間杜夫）が亡くなった両親に再会するストーリーで、ぶっきらぼうだが心温かい父を片岡鶴太郎、優しく気丈な母を秋吉久美子が演じ、子を想う父母を見事に演じきってます。私はこの映画で片岡鶴太郎に対する見方が変わりました。まさに「親は大事にしましょう」と痛感させられる映画です。

ただ、私は原作を知らないので映画だけの批評になってしまいますが、名取裕子の一連のシーンは映画的な一種の”箸休め”でしょうか（笑）作品全体の完成度という点では残念ながらマイナスになっていると思います。

両親との惜別のシーンでは、消え行く父母への風間杜夫の演技が本当に素晴しい。してあげたかった事がたくさんあるのに、言いたかった事がまだいっぱいあるのに、という気持ちが痛いほど感じられます。心に刺さる名シーンです。

観終わった後、思わず実家の両親に電話したくなる作品。
この映画を観て、常に大きな存在だった父、いつだって優しかった母を想い出して下さい。

すき焼の匂いがする。

　すき焼の煮える音。別れが近づいている事の予感。
「お前の事を自慢に思っているよ・・・」
誰でもが心の底に持っている原風景への郷愁を見事に
見せてくれた名場面だと思います。
よく人生頑張ったと誰かに言ってもらえるとしたら
こんな場面が一番せつなく心にしみますよね。
名取裕子とのエピソードにどうにも違和感がありますが、

このシーンだけでも忘れられない佳作になっています。
大事にしたい一本。

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