ハードカバー:新・祈りのみち―至高の対話のために−ユルコロ情報

「祈り」の意義とその恩恵とは？

　見た目は分厚いですが文字が大きく行間も広いので３時間ほどでサラッとは一読できました。

しかしながら、本書は値段が張る上、多忙な時間を割いて読むに値する本かどうかをご覧になっている方に判断して頂くため、本書の「はじめに―新版に寄せて」を引用し商品内容をもう少し補足します。


「祈り」とは私たちの周囲に満ち満ちる神仏への気配に自ら自身を委ねることから始まる、人と神との至高の対話です。神仏の存在にあまり馴染みのない方のために、それは、宇宙に遍く存在している光を導く、指導原理の流れに托身することであるとも言い換えておきましょう。

この気配、そして流れは、ギリシアではプネウム（息）と呼ばれ、キリスト教では聖霊と考えられ、仏教では例えば衆生を救い、目ざめさせる多くの菩薩などのはたらきに当たる、神仏と私たち人間を結びつけ媒介するものです。実際に、「祈る」の語源の中には、神仏の「息」に「乗る」ことというものがあります。

世界に流れている「息」「気配」に「乗る」ことによって、私たちは、普段の意識から越え出ることを誘われます。そして場合によっては、超自然的な神仏の領域に導かれ、その次元との深い交流・対話を果たすことになります。

私たちの魂はその中で、安らぎに満ちた静けさに導かれ、みずみずしさと本来の自由を取り戻します。そしてそれと同時に、そこには思いがけない恩恵がもたらされます。

「祈り」を通じ、日常意識を越え出ることによって、また神仏の次元に触れることによって、私たちは、自分のものの感じ方や考え方を大きく変貌させることになります。深い心の傷とともにもたらされていた孤独感から解放されて痛みが癒され、決して許せなかった頑なな想いがゆっくりと溶かされ、どうにもならない閉塞感を脱してそれまで気づけなかった答えが見えてくる…。

「祈り」によって、私たちは、自らの心境、境地から上昇し、それませ触れ得なかった知恵と光に浴し、新たな道を自ら開くという思いがけない果報「恩恵」を手にするのです。

しかし、それはまた、そこに示された心境から明らかなように、自分の意識を上に越え出る一方で、その場で、私たち本来の心のあり方に回帰することでもあります。丁度、すべてを支えている大地そのものと一つになるかのように、上昇ではなく、むしろ、下降し、自然に回帰することによって、ゆるぎない心境に至る、自らを越え出る歩み―。

まさに、「祈り」によって、私たちは本来の自分に立ち還り、自分自身に、他者に、そして世界そのものに対し、信頼する心を取り戻して、希望を抱いて向き合い、生き始めることができるようになるのです。以下省略。


社会や日常生活などにおける様々な不条理を受動的に生きるのではなく、「祈り」を人生の指針として実践しパラダイム・シフトすることにより永遠なる生命として気づき、艱難辛苦を能動的に受け止め、考え、そして乗り越え、真理に適った人生を歩みませんか、といった著者のメッセージでしょうか…。

『運命の方程式を解く本』『あなたが生まれてきた理由』などの著作を先に読んでいたので無理なく読めました。

今まで祈りにほとんど関心はなかったのですが今後は必要に応じて「祈り」の意味を心に刻み生活に取り入れていきたい。

メーカー：三宝出版

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