画家・写真家・建築家:光の教会―安藤忠雄の現場−ユルコロ情報

光の教会―安藤忠雄の現場


 感想

商品説明

 ???建築家安藤忠雄の代表作の1つに、大阪府茨木市の日本基督教団茨木春日丘教会がある。コンクリート打ち放し。直方体の箱のようなシンプルな教会堂。十字架の形をした窓が正面の壁いっぱいにくりぬかれ、そこから太陽の光が内部に差し込む。明るい光とほの暗い室内のつくり出すドラマチックな対照。「光の教会」とよばれるゆえんである。

???本書はこのユニークな教会堂がどのようにして構想され、設計、施工されたかを丹念にたどったノンフィクションだ。大学院で建築構造学を学び、構造設計事務所で実務を経験した著者の筆により、読者は建築の現場で何が行われているのかを実感することができる。コンクリートの軟らかさが少し違うだけで、どれだけ工程に影響するのか。なぜ建築家はその違いにこだわるのかといったことが、誰にもわかりやすく語られる。また、安藤のラフなアイデアがスタッフの手によって設計図にまとめられ、それを施工業者が工事現場で実際につくっていく過程が臨場感たっぷりに描かれる。

???とはいえ、本書が建築の技術面に偏っているかといえばそうではない。1つの建物ができあがるまでには、何人もの人々がさまざまな立場からかかわるのであり、そこには人間くさいドラマが生まれる。安藤と彼のスタッフ、牧師と主だった教会員からなる建築委員会、そして施工業者が互いにどのような会話を交わし、何を考えていたかについての著述も十分な量を与えられている。ストレートにものを言い、次々に大胆なアイデアを発想する安藤という魅力的な人物なしにこの本は考えられないが、周囲の人物もそれぞれ重要な役割を演じている。第32回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。(松本泰樹)





【光の教会―安藤忠雄の現場の商品情報】
メーカー:建築資料研究社
eanコード:9784874606964
ジャンル:book
製品種別:単行本(ソフトカバー)
状態:New
売値:¥ 1,995
中古価格:¥ 851
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光の教会―安藤忠雄の現場関連

 光の教会―安藤忠雄の現場の商品紹介&感想
 感想

建築の醍醐味を味わえる作品です。

 世界的な建築家、安藤忠雄さんの仕事ぶり、人となりが強く伝わってくる物語でした。大阪府茨木市にある茨木春日丘教会が完成してゆく工程を追いかけています。まずもって、この教会は破格の低予算での注文でした。ところが、安藤氏は、興味が湧いたようで、注文を受けてしまいます。この儲からない工事の引き受け手を見つけることからスタートしました。安藤氏は盟友の建設会社社長に依頼します。安藤氏は、施主を選ぶそうです。教会側は、安藤氏でなくてもよかったようですが、安藤氏がこの教会建築に何かを感じたようです。当時、バブル全盛で、現場の職人が集まりません。建築資材も高騰、その中でとことんまで芸術性にこだわりぬく安藤氏とその天才振りを信じて採算の合わない工事でも誠実に進めてゆく建設会社社長。光の教会を発想したと思われる様々なエピソードや登場人物のバックグラウンドも書き加えられており、建築現場の臨場感とものづくりへにこだわりぬく人たちの熱情が感じられました。そして、この光の教会は、安藤建築事務所や教会の人たち、建設工事に携わった人たちによって何年にも渡って手を加えられてゆきます。安藤建築に終わりはなく、その建築物を使う人たちが使い続けることによってさらに輝きをましてゆくのです。建築の醍醐味を味わえる良書だと思います。


 感想

名書

 日本一の建築家が一つの大作品を完成させるまでの物語(実話)
ページ数は400と分厚い本だが、この読みやすさ、ハンパない。建築の知識がなくてもすいすい読める。
一つの建物を建てるのにどれだけ大勢の人が関わるのか、という事に改めて気付かされる。
ストーリーがおもしろく、専門書というよりは読み物に近い。それでいて所々に専門知識が盛り込まれているので勉強にもなる。
建築好きは絶対読むべき。建築を知らない人にもおすすめ。こういう世界がある、という事を知ってほしい。


 感想

伝説が真実に・・・

 安藤忠雄は、今日伝説となりつつある。彼の作る作品は、コンクリート打放しという一見冷たい素材で、単純な幾何学構成である。しかしながら、彼の作品から感じる暖かさは、安藤忠雄の天才的アイデアとそれを共に実現させようという現場職人の思いがあってこそである。この著作は、安藤忠雄という伝説を支える職人達の想いを、強く描いている。


 感想

建築は人間ドラマ

 安藤忠雄の信念と、彼のデザインが生まれるプロセスの臨場感。それを種々の制約の中で現実の物とすべく努力を重ねる竜巳建設の一柳社長の人間像。2人を支える設計現場と建設現場の人々の思い。施主である教会の人々。 安藤忠雄のみならず、他の建築を支える人たちの群像を過不足なく捕らえて唸らせる。 建築を主題とした人間ドラマとして秀逸。 人間を主題とした建築ドキュメントとしても秀逸。


 感想

2007年の人になりつつありますね

 安藤忠雄が有名になった”光の教会”について書かれた本です.

安藤忠雄は,大学系の人でないのに,東京大学の担当教授になったり
最近では東京オリンピックのマスターアーキテクチャを担当したり
なにかと話題の人になりつつあります.

安藤忠雄が書いた,建築に夢を見たなどの本は建築に興味が無いと
読むのは厳しいですが,こちらはそんな基礎知識が無くても
読みやすいのでお勧めです.


 感想

建築の素人にも非常に興味深い

 建築の素人にも非常に興味深い内容となっています。非常にお勧め。

製造業に関わる人には是非読んで頂きたいと思います。「予算や工期などの制約のなかで、どうやって魂を具現化するか」、という問題は、製造業一般に関連し、日本人が今一度考え直さないといけない問題のような気がします。

いささか個人的なことで恐縮なのですが、この教会を知ったのは、大学の先輩のお子さんが亡くなったときです。普段キリスト教とはなんら関係のない生活をしていて、教会にも普段行くことがない私は、正直、「いったいなんっちゅう建物や」と思いました。そのシンプルで整理された空間と、小さな棺を今でも忘れることができません。この教会の建物がどのようにしてできあがっていったかを知ることができ、その意味でも非常に興味深かったです。



 感想

リアルに感じる。

 "光の教会"といわれている、大阪茨城市にある茨木春日丘教会の再建築過程をダイジェストに書かれた一冊。
著者と安藤 安藤と教会、教会と人々、安藤と職人たち・・・
資金を上回る建築予算の問題を抱えながら、教会を建て直すプロセスと
その中で交わされる人々のやりとり・感情がリアルに感じられます。
読み進んでいくうち、現場にいるような気分になり、喜怒哀楽も共にしまう程でした。
建築用語は必然的にでてくるので、建築を学ぶ私には都合よく知識も取り入れる事ができました。

私は、この"光の教会"へ訪ねた後にこの本に出会いました。
読んだ後でも、読む前でも、一度訪ねる事(体感する事)をお勧めします。
(あくまで、"教会”なので勉強のみ・興味本位というのはよろしくない。)



 感想

名建築誕生にいたる人間たちのドラマ

 時はバブルの真っ只中、恐ろしく低予算の教会建築が実現するまでの経過をいささかコミカルに描く。
設計も施工も大赤字を覚悟で引き受けた小さな教会。
「光の教会」として名高い「茨木春日丘教会」である。
建築は四角い単純な箱だ。
その箱に15°の角度で貫入する独立壁と、壁に穿たれたスリットとして表現された十字架、これがいわばこの建築の全てである。
簡単に見えるかも知れないが、とてつもなく困難な形である。
斜めの独立壁は、屋根スラブかとわずかにスキマが空いている。
壁のスリットは更に難しい。
特にスリットの上側の壁は大変な構造である。
「これ、もつんかいな」
という施工者の述懐は至極当然だろう。
事実、この小さな建築の施工は困難を極めた。

安藤のやり方に抵抗を覚える人も多いだろう。
施主と設計者とどちらがエライのか、と。
安藤は、施主にも相当の覚悟を強いる建築家である。
住宅ならば、住み手の生活の仕方にまで介入してくる。
当然、反発もある。
しかし、結局安藤のペースに巻き込まれてしまうのは、安藤自身の強烈なエネルギーと建築に対する愛情が施主に伝わるからだろう。
波乱万丈の人生を歩んできた安藤には、人を納得させる自信と人間的魅力にあふれている。



 感想

読んだら行きたくなるかも…

 光の教会(茨木春日丘教会)建築のスタートからゴールまでを詳細に綴ったノンフィクション。
教会建築に携わった人々の織りなす状況はまるでドラマのようで小説を読んでいるようだ。

光の教会や他の安藤忠雄の建築物を見に行った事がある、又は行く予定がある人に是非読んでもらいたい1冊だ。
きっと安藤建築がもっと好きになると思う。

「都会の中でも切り取られた空は自分だけの空や」 Tadao Ando

実際に行って見ると、普通の住宅街の中にあって教会の敷地だけは別世界だった。
自分だけの空を見にいってみてください。



 感想

建築家安藤忠雄の人間的魅力

 〜この光の教会はその名のとおり,十字架を模した窓から薄暗い教会内部に至福の光が差し込んでくる(写真でしか見ていないが。)神々しいばかりだが,そこに至る経過を面白く読ませてくれる。
安藤忠雄に依頼されたのは坪50万円で60坪,合計3,000万円の教会である。渋る安藤がこの設計を受けたのは教会の人々との話の中で,彼らを自分の同士と見込んだからであろ〜〜う。
建築家安藤忠雄はやはり「閃き」の人のようである。施主である牧師が葬式の真っ最中に提案されたのが「光の教会」であった。ラフスケッチが現実の建物になっていく様子は読んでいて楽しい。構造設計の難しさや職人が逃げてしまう話。また施工上に出てくるコンクリート打放しに必ずある丸い穴の精度の話やコンクリートの角を出す試行錯誤など次から次へ〜〜と課題が出てくる。
ほんと,これを施工した業者さんはまるっきりの赤字だと思う。でも赤字でも仕事をしてしまう,あるいはさせられてしまうのは多分建築家安藤忠雄の人間的魅力なのだろう。〜


 感想

とにかく

 進路について考えている高校生の皆さん、取り敢えず本書を読んでください。そして、何か感ずることがあったら、技術者・芸術家としての選択肢を考えてください。


 感想

「もの」をつくる全ての人に。

 建築については何の知識もないが楽しく一気に読破。 安藤氏だけでなく「光の教会」に関わった人全ての熱い想いが伝わったのと同時に「いい仕事」とは何なのか考えさせられた。 途中に出てくる故黒沢明監督らのエピソードもいい刺激に。


 感想

生き方を学びました

 人生と通しての安藤さんのモノづくりに携わっていく一つの生き方を学びました。
また、本の中にあった安藤さんのいくつもの言葉に、共感・感動・教えがあり、人生の岐路に立っている私にはものすごく参考になった本でした。


 感想

「光の教会」の見学にはぜひ!

  建築家・安藤忠雄の代表作「光の教会」が建てられるまでの全工程がこの本の中に書かれてある。
 この本を読めば、次の3つのことが少なくともわかる。
1 光の教会がどんな建物であるか。
2 安藤忠雄という建築家が、どのような人物であるか。
3 ひとつの建築物が完成するまでには技術的にどんな段階を踏まなければならないか。

 これらのいろいろな要素をうまく束ねて、さらにちょっと笑ってしまうようなエピソードを入れつつ、最後まで一気に読ませてくれる。これは、建築の専門家である著者の筆力と、天才と評される安藤忠雄のキャラクター、さらに教会の建築に関わった登場人物の人情とが相まってのものだろう。

 光の教会は、信者以外にも開かれた教会にするという目的のもと、一般の人にも公開をしている。建築や安藤忠雄に興味のある方は、この教会を見に行かれてはいかがだろう。そして、見学の前にはこの本を読まれることをぜひオススメする(本に出てくる牧師さん本人にも会うこともできるかもしれません)。知識なしで見に行くよりも何倍も深く、光の教会を味わうことができるだろう。



 感想

プロのモノづくり

 私たち一般人は、
建築と直接触れる機会はあくまで、建築物を見るとき。
あまり、作っている最中を目にする機会はほとんどありません。

安藤さんの建築とは、その計算し尽くされたモノの配置、
光と影、コンクリートの表情など、
美しさ、すばらしさを挙げればきりがありませんが、
それは、あくまで氷山の一角。

僕たちが目にしているものは、その安藤忠雄さんという人の建築の
ほんの一部でしかない。
そんな言ってみればあたりまえのようなものを、
垣間見ることができる一冊ではないでしょうか。

もともと、建築が好きで、
建築関係の大学に行きたかった僕にとって、
安藤さんはもちろん尊敬する、雲の上の人であります。
そんなプロの建築家の建物達に憧れて、

彼らと同じ道を見てきました。
しかし、高校最終学年になり、
年が過ぎるにつれ、どんどん目に見えてくる現実はとてつもなく、
きたないものでした。
街には、画一的なマンションばかり立ち、
せっかく、新しいものを作るチャンスをもらった土地は、
ただの、金儲けの場所と使われてしまいました。
大会社が美しさを求める事はなく、

追求するものは、金ばかり。
利益が多ければいいのです。
人間は進化を続けてきたのに、芸術に対する欲求は、まるで退化してきたようです。
退化するというより、
人間は、並んだ金と芸術を見ると、
金のほうに走ってしまうという弱みを露呈したものです。
それは、資本主義が反対される理由の一つではないでしょうか。

そんな、経済の摩天楼の中で、

彼らは、小さいながら力強い光を放っていました。
見るからにわかる、赤字物件に挑戦する、安藤事務所や工務店。
それは、彼が、質素というテーマのもとに存在する芸術を信じていたからだと思います。
彼を突き進めたものは、金でなく、
芸術への探究心ではなかったのでしょうか。

それを支えてきた人間関係がこの本には描かれてます。

利害関係だけではなく、作る人それぞれの信頼関係。
まるで美に対する欲求だけにより、成り立っているモノづくり。
そして、彼らを、欲求という曖昧なものだけで働かせてしまう、
安藤忠雄さんの人間性。
その、人間関係こそが、
彼の建築の美を支えてる、氷山の下の部分のような気がします。
この本を読んだとき、

光の教会のように、暗くなりかけていた将来の夢に
純粋で、美しい、力強い光のクロスがさしたかのようでした。



 感想

光と思いがあふれる現場の魅力

 コンクリートの壁に切り抜かれた十字架。装飾を極力排した礼拝堂の空間に差し込む十字の光。そこに集まった信者たちの思いと教会を建設した人たちの思いが重なり、交わり、時間が刻まれていく。この建物は多くの障害・困難を乗り越えて存在している。経済的な資金不足、技術面、それらを現場の知恵と思いの力で克服していく過程はこの本のクライマックスである。人はそれぞれの思いを抱えている。自分の思いに対しどこまで真摯に向き合い、あきらめずねばり強く実現していくか。ついつい忘れがちなこの気持ちを思い出させ、勇気を与えてくれるビタミン剤となりうる作品である。


 感想

モノづくりということ

 80年代ぐらいに青春時代を過ごした世代には、もはや「モノづくり」の尊さとか勤勉であることなど、日本企業の強さの根源といわれる部分は、合わない気がします。団塊の世代Jr以降は、そういう物質的欠乏感からはほど遠い日常生活を送っているのが普通でしたから。なので、日系ビジネスや書店に山積みされるビジネス本の「モノづくり復活」等のキーワードが、いまいちピンと来ませんでした。

建築とは縁もゆかりもない僕ですが、この本に出会ってはじめてもしかして「モノづくり」って、ものすごく面白いエキサイティングなことなんじゃないだろうか?と、衝撃を受けました。

「モノをつくる」ということの素晴らしさが、死ぬほど凝縮されている本です。体験記で小説のようにスラスラ読め、わかりすいですしね。
ソニーの井深さんやホンダの本田さんとか、モノを作ることに生涯を捧げた人物の偉大さが凄く分かった気がしました。



 感想

安藤建築ファンならやまずに語れない!

 もしあなたが安藤ファンであるなら、この本を読まずして、安藤建築については語れないのでは?と思えるほど、あの安藤氏の肉声が伝わってくる本です。

それだけでなく、安藤建築を支えているさまざまな人の姿、葛藤、それぞれの作品がつくりあげられていく(これは安藤氏やスタッフだけでなく、クライアント、また、実際に手がける工務店などとのまさに協働作業)が伝わってくるものです。
最終的に出来上がった姿を「美しい」「かっこいい」と賞賛するだけでなく、ぜひ、その過程を実感してください。



 感想

一気に読んでしまった!

 建物をつくり出すことに真剣なことに、この本を読み始めてどんどん引きつけられました。

今まで何気なく見ていたコンクリートの建築物についても理解が少しだけ深まりました。



 感想

モノづくりと商売のはざまに立つ人々

 
建築学の門外漢すると、建築工程に関する記述は非常に辛かった。
専門用語が散りばめられ、ときたまあるその用語の解説もまた
難解…。理解してもらおうと図が随所に盛り込まれるが、命で
あるはずのキャプションがやや不親切。この点については、
著者がもともと建築雑誌に携わっていただけに、配慮に欠けた
感がある。

しかし、である。やっぱり、広く一般に読まれるべき本だ!

もちろん本書の「中心」には安藤が来るのだけれど、本書に
おいてその「中心」は、むやみやたらに崇められていない
(つまり純粋なヨイショ本ではない)。

安藤の駄々っ子ぶりやこだわりの深さ、そしてそれに翻弄される
スタッフや工務店の面々(光の教会の施主でさえも!)。それらの
息づかいが、見事に描写されている。

世はバブル期。湯水のように建築費が嵩んだ建築が多いのに、
安藤と工務店は、赤字までしょい込んで、光の教会づくりに邁進。

個人的には、安藤の「注文」にも、お金が出せない施主にも泣かされ、
金銭の面で一番わりを喰った工務店の面々には頭が下がった。そして、
経済の合理性からいえば割にあわないのに、建築への誇りと品質を
死守する現場の「モノづくり」のスピリットには、正直、ドキドキ
してしまった。

建築にたずさわる者たちの顔が、「これでもか」とまでよく見える
好著です、これ。


 感想

安藤忠雄のすごさとやさしさ

 この本のよいところは、筆者が安藤忠雄ばかりではなく、工務店、施主の側にもたったレポートをしているところである。建築家に頼むと言うことはどういうことかが、よく分かる。本の中に安藤忠雄と切り結ぶという表現が出てくる。これは、小住宅を造る場合でも同様である。工務店に頼むのとは全く違う体験である。いわば、建築家の美意識、工務店の施工の現実、何ができるか普通理解できない施主との思想、人生体験との戦いが起きるのである。更に、竣工後も建築家の思想が徐々に住み手、使い手に染み込んでくる課程も楽しむくらいでないと、やっていけない。
その点、安藤忠雄は正しい考えを、まっとうに主張してくる人であることが分かる。教会建築の肝要な点は、欧州での修道院、教会建築から学んだことを、実現することで、そのために全力をかけて施主を説得している。面白いことに、使っているうちに、安藤忠雄の建物はどうしようもないと思っていた人々が、けっこうよいものだと思い始めるのも、彼の正しさを証明している。しかし、冬でも暖房なし、雨風雪が入ってきてもよい(実際にはガラス窓をはめたが)という思想は、教会という建物の原点を追求していて、それを現在の日本で主張できる人というのは、すごいことだ。世界の安藤になれたのは、その姿勢であろう。
しかし、自己主張と同じくらい、施主や工務店への思いやりにあふれている人でもあることも分かった。植栽などを建物完成後に購入して寄付しているが、それで設計料がチャラになったという記述がある。(幸い、この建物で、安藤忠雄の名は更に上がったのだが)
読了後、その構造や、光の取り入れ方の図をみているうちに、ル・コルビュジエの後を継ぐのは彼かも知れないと思ってしまった。
気持ちのよい本であった。おすすめである。


 感想

とても面白いプロジェクト・マネジメント

 建築の際の建築家、施主、施工会社などの関係が生き生きと描かれていて、これはプロジェクト・マネジメントのとても面白い例だと思います。また、安藤さんの人柄などがとてもよく伝わってきます。是非教会を見に行きたいですね。


 感想

見学の際、感激もひとしおになりました

 某公共放送の特集番組でこの教会を観た瞬間、その光の採り入れ方に感銘し虜になってしまった。木枯らしが吹きすさぶ中、この本を携えて到着した教会は誰もいなくて、憧れ続けた空間を思いきり堪能することが出来た。この建築物について詳しく教えてくれたこの本に感謝する。

余談ですが帰りの飛行機でもこの本を読み返していたところ、タイトル”光の教会”ということで、まわりのお客さん、はては客室乗務員にまで変な目で見られたような気が・・・今度お外で読むときはカバーつけようっと。



 感想

軽快に読めて満足

 難しい話をかなりかみ砕いてあるので、とても読みやすい。何より安藤忠雄の生の声が見えてくる部分が非常におもしろい。 しかし、読みやすいが故か、つっこみというか浅さを感じしてしまう。(特に教会の建築進行の部分で)




写真&画像

Sexyな美脚の画像
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